酒蔵職人:
おおっ!!
できたぞ!!これが幻の酒じゃ!
六甲山系から吹き下ろす冷たく乾燥した風「六甲おろし」と
酒米の王様「山田錦」、
山と海の恵みを受けて生まれる名水「宮水」、
完成した酒を収める「器」と、
そして、
それらを醸造する「時間」が必要だったのじゃ。
長年、忘れていた職人の勘が戻ったぞ!!
思い出した!
全て思い出したぞ!
酒蔵職人は、
朽ちてしまった家宝の巻物を読むことは諦めたが、
古文書に導かれて謎を解いていくうちに、
記憶を取り戻したのだった。
誰が何のために?
あの和装の女性は、どう関係しているのか???
疑問は残ったが、酒蔵職人の依頼は無事に解決することができた。
占い師:
探偵さん。
私も、たいせつなことを思い出したわ…
この黒猫の名前は「ミー」
昔、私が飼っていたの。
だけど、阪神なんば線開業の日に、突然いなくなってしまって、
それから私の占いは当たらなくなってしまっていた…
でも何故今まで忘れていたのかしら…
ミー!!戻ってきてくれたのね!!
「ミャーオ」
占い師は黒猫 ミー と再会を果たした。
ミーが何故、酒蔵職人の巻物を隠し持っていたのかは、
分からなかったが、
尼崎で見つけた古文書がここまで導いてくれたことは確かだった…
すると、酒蔵職人は占いの館のガラクタの中から、グローブを見つけた!
酒蔵職人:
おや!
それは、子供用の左利き用グローブ!
さっき甲子園で出会った野球少年のグローブではないか!?
占い師:
あれ?それもあなた達のなのかい?
そういえば、数日前からガラクタに紛れていたよ。ミーが持ってきたのかしら?
酒蔵職人:
そうか!見つかってよかった!
探偵さん、
あの子に届けてやろうじゃないか!
あなたと酒蔵職人は尼崎に戻ると、
野球少年が母親と一緒に待っていた。
野球少年:
探偵さん!
グローブ見つけてくれたんや!
ありがとう!
喜ぶ野球少年の隣で、酒蔵職人と母親は、顔を見合わせて驚いた。
酒蔵職人:
あれ!?
あの時の!!!
野球少年の母親は、10年前、
酒蔵の前で産気づいたところを、酒蔵職人に助けられ、
無事出産をした、その時の女性だったのだ。
ちょうどその日は、阪神なんば線開業セレモニーの鏡開きに参加した日だったので、鮮明に覚えていた。
その時、生まれた子が、もうこんなに大きくなったのだ…
そしてその時、母親を助けるため、酒蔵職人は、
酒蔵を後にしている間に何者かに倉庫が荒らされてしまったのだった。
しかし、何故その中から家宝の巻物だけを、
ミーが持っていたのかは、謎のままだった。
そして、ミーが占い師の所へグローブを持って来たことで、この少年と再会することとなったのだ。
酒蔵職人は、
昔を思い出しながら、不思議な縁を感じていた。
しかし、何故それから、幻の銘酒の造り方を忘れてしまっていたのか…
それだけはまだ思い出せなかった…
酒蔵職人:
探偵さん、
助かりましたぞ!!
これでもう一度あの銘酒をつくることができる。
蔵に帰って、いちから始めるわい…
あなたは、酒蔵職人の依頼を終え、
先ほど依頼の連絡をくれた、
映画カメラマンの元に急いだ…
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
【阪神電車謎解き-神戸編-黒猫と失われた銘酒の謎-完】
阪神電車謎解き-神戸編-はいかがでしたか?
いつもと違う電車を使った街歩きをお楽しみいただけましたか?
この後、ストーリーは、大阪編へとつながっていきます。
4月20日にリリースする大阪編を、ぜひお楽しみください。
また、神戸編の前段のストーリーである序章編のリーフレットは各駅に設置していますので、まだの方はぜひ手に取ってお楽しみください。
詳しくはこちらをご覧ください。
神戸編のラストキーワードは、
大阪編の解答後、特別ステージをクリアするために必要です。
それまでしっかりと覚えておいてください。
神戸編のキットも特別ステージで必要となります。たいせつに保管してください。
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